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21.10.25 Mon
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REPORT : Global Leadership Conference 2021 ‐ Unilever


セブンシーズでは、2021年9月10日に
Global Leadership Conference~Navigating VUCA Successfully~
を開催いたしました。

当日参加人数:
109
ファシリテーター:
Grant Cameron - Seven Seas’ Vice President.
スピーカー:
Melissa Gee Kee – Unilever Vice President HR Unilever Turkey, Unilever Central Asia and Iran (TUI)
June Horie – Microsoft HR Manager
テーマ:
パンデミックに端を発した不確実性の高い時代に、
先進的な企業の組織とリーダー育成はどのように変化に適応しているのか。

セミナーレポートPDF版はコチラ

Global Leadership: Navigating VUCA Successfully

Melissa Gee Kee – Unilever

Introduction

この1年半の間、私達は迅速に方針を変更する必要がありました。そのためには、ラーニングアジリティ(学びの敏速な変化)のスピードが極めて必要であり、これが、繁栄する組織と消えていく組織の違いです。

Are you sitting comfortably?
快適ゾーンにいれば、あなたはそれで安心ですか?

パンデミックの影響で、人々にはこれまでとは違った働き方をしたい、もっと選択肢を増やしたい、もっと柔軟に行動したいという欲求が高まっています。我々はいかに社員をリードし、柔軟性と選択肢を提供できるか、再考する必要があります。このようなことができる企業は、最高の人材を惹きつけることができ、最終的には人材こそが企業の成長と繁栄につながるのです。

今日のテーマ
  1. パラドックスと危機の時代のリーダーシップ
  2. 働き方の未来を再考する

Topic 1: Leadership in times of paradox and crisis

パラドックスと危機の時代のリーダーシップ
私たちは、短期的な思考と長期的な思考を同時に行う、常にパラドックスの世界に生きています。コスト削減と会社の成長を両立させようとしています。

人を第一に考える。ユニリーバが行うすべての中心にいるのは“人”です。日々のビジネス活動の中で、人を中心に据えたビジネスのあり方をユニリーバが貫いているかぎり、ビジネス上、何か思いもよらないことが起こるということはありません。

People who say they are “living their purpose” at work report levels of well-being that are five times higher/ four times more likely to report higher engagement levels

「パーパスを持って仕事をしている」と答えた人は、幸福度が5倍高く、エンゲージメントレベルが4倍高い。

(Source: Igniting individual purpose in times of crisis, McKinsey 2020)

我々が人を中心に据え、安全、幸福感、つながり、エンゲージメントなどを大切にすることで、社員はビジネスへの責任が増し、パワーアップし、より一層の達成感と働きがいを感じることができるのです。これは極めて本質的なことであり、ユニリーバが危機的状況の中で成長するための重要な要素となっています。

ユニリーバは、特に危機的な状況において、「パーパス」と「個々人のパーパス」の存在を非常に強く信じています。個人のパーパスは、人々をナビゲートするのに役立ちます。疲れていたり、プレッシャーを感じていたり、不確実性の中を進んでいるときには、コアとなるパーパスに立ち返ることで、進むべき道を見つけることができます。

調査によると、パーパスを持っている人は、より積極的に行動し、幸福度が高く、ストレスの悪影響を受けない回復力があることが明らかになっています。過激なパフォーマンスの後に回復する能力があなたの中に存在するのです。

ユニリーバでは、社員が自分のパーパスを見つけるために多くの時間を費やしています。誰もが自分のパーパスを見つける機会を得て、それを自分の役割に結びつけています。このトレンドは、ビジネスパフォーマンスにとって極めて本質的なものであるため、他の多くの企業が採用しています。

Unilever is – A Purpose led future fit organization
ユニリーバは、「パーパスを持った未来志向の組織」です

その意味するところは

Companies with purpose last
パーパスを持った企業は存続し続ける
Brands with purpose grow
パーパスを持ったブランドは成長する
Consumers will choose a brand that has a purpose
消費者はパーパスを持ったブランドを選ぶ
People with purpose will thrive
パーパスを持った人は生き生きと成長する

パーパスを持って行動するということは、ユニリーバが先駆者となり、変革の境界線を押し広げることができるということです。パワーアップして俊敏に動くことができるのです。今は、キャリアパスではなく、キャリアナビゲーションの時代です。経験値を集めること。パーパスを持って成長し、学ぶこと。人々の安全を第一に考え、彼らが無事であることを確認し、つながりを保つこと。ユニリーバの社員は役員に直接アクセスでき、何でも質問することができます。これにより、透明性が高まり、社員同士のつながりが深まります。

ユニリーバは、リーダーの声に耳を傾け、彼らが直面している複数の課題、特に危機的状況下での課題を理解した上で、リーダーに多くの投資を行っています。リーダーは最善の努力をすることが求められますが、ユニリーバはそのための時間とリソースの確保をサポートしています。パンデミックの間、すべてのリーダーは個々人のリーダーシップスキル開発だけでも50時間以上の時間を費やしました。これは多くの人の考えに反するかもしれませんし、ユニリーバがこのような時になぜこれほどの投資をするのかと疑問に思われるかもしれません。しかし、我々ユニリーバは「人を中心に据えれば、他の要素は確実についてくる」という強い信念を持ってリーダーをパワーアップさせる様々な場を提供し、カオスの受け入れるスタンス、心理的安全性の担保、自分自身のインナーゲームの追求を促しました。バーチャルリトリートへの参加は、日々の業務からあえて離れる必要があるため、当初、全てのリーダーが好意的に受けとめたわけではありませんでした。しかしながら、プログラムに参加したリーダー群と不参加のリーダー群を比較すると、その投資効果は明らかでした。

ユニリーバはコロナ以前から既に変化に向けて破壊と変革を推進してきましたが、コロナはその必要性を加速させ、いくつかのステップを飛ばし、より速く変化させました。21世紀の今、ユニリーバの従業員はより多くの選択肢を持っており、優秀な人材を確保するためには、従業員をエンゲージし続けることがこれまで以上に重要です。そのためには、これまでとは異なるタイプのリーダーシップが必要です。

変革の機会を掴んだ者が最終的に報われるが、そうでなければ絶滅の危機に直面するかもしれない。 危機的状況下で我々がいかにリードするかによって、立ち直りより良い結果を得るか、絶滅の危機に直面するかが決まります。

“Can a leopard change its spots? Can you teach an old dog new tricks? Absolutely!”

“豹は自分の斑点を変えられるか?老犬に新しい芸を教えることはできるか?もちろんできます!“

ユニリーバの「リーダーシップの基準」は、「インナーゲーム」と「アウターゲーム」が相互に作用し合う無限大サイクルとして表すことができます。

Inner Game インナーゲーム
  • 自分のパーパスを他の人のために役立てる
  • 個人の習熟に集中する
  • アジリティの強化
Outer game アウターゲーム
  • ビジネス感覚
  • 人材育成
  • 成果を出すことへの情熱
  • 消費者への想いに焦点を当てる
You can’t just be good at the Outer game and not develop the Inner game as well.

インナーゲームを追求なくして、アウターゲームの発展はありません。

自分自身を理解し、自分自身をリードすることができなければ、他の人をリードすることは望めません。なぜなら、マインドが行動をつくり、行動は私たちがリードする道を形成し、私たちがリードする道が人を形成し、人が組織の文化を形成するからです。

危機的な状況下では、リーダーとしての心理(あるいは本能)が働き、状況を掌握しようと急ぐことがありますが、適切な文化を構築していたならば、それは最善の行動ではないかもしれません。部下に権限を与え、状況を把握することができるのです。

If we don’t power-up ourselves, understand ourselves, and lead ourselves, how can we lead others?

自分自身をパワーアップさせ、自分自身を理解し、自分自身をリードしなければ、どうやって人をリードすることができるでしょうか?

個人のマスタリー(習熟)における4つのC(インナーゲームより)
  • Connection – 自分や周りの人とどのようにつながっているのか?
  • Courage – 恐れを抱いても行動すること。嫌われる勇気を持ち、もっと自分をさらけ出し弱さを見せる。
  • Commitment – 自分自身に明確な意思を持ち、変化にコミットし、嫌われても自分の信じるもののために立ち上がる。
  • Compassion – 相手に寄り添い、耳を傾け、相手の気持ちを真に理解すること。また、自分自身にも思いやりを持って、スピードを落とすべき時と上げるべき時を見極める。
幸福であるためのフレームワーク(マスタリーの4つのCを構築するのに役立つ方法)
  • Physical – 栄養、回復、運動、エネルギー管理
  • Mental – 集中力、エンパワーメントとアジリティ、マインドフルネス
  • Purposeful – 個人のパーパス、USLP(ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン)との接続
  • Emotional – ポジティブマインドセット、自己肯定感、包含

ユニリーバでは、従業員の健康を確保するための具体的な取り組みを行っています。

フォーカスフライデー:金曜日の午後1時以降は会議を行わない
サマーアワー:夏季には業務時間を短縮し、パワーを蓄える時間を確保する
Recalibrating the definition of Success 成功の定義を再検討する
21st Century Leadership Traps/21世紀のリーダーシップの罠
The Control Trap
マシーンのように効率性、安定性、秩序、適合性を重視する
The Power Trap
権力は盲目にし、共感を減らす
The Cognitive Trap
マルチタスクやインプット過多による認知機能の低下
The Action Trap
不安が行動への依存を生む
The Toughness Trap
本当の意味でのレジリエンスがないため、耐久力に頼ってしまう
How to navigate away from these traps/これらの罠から逃れるためには
Be present 寄りそう感覚
気が散らないようにすること、
こマルチタスクをしないこと、
こ部下と深くつながり、今ここにいることを大切にする術
Make space 心の余裕をつくる
内面に感情のスペースをつくること。
こ感情を抑圧しない。自分自身のための心の余裕をつくること
Show yourself 自己開示する
弱さの力。完璧に見せることから一歩引く。
こ人間らしく、自分らしく。
Be compassionate & direct 想いやりと率直さ
最大のパラドックスの1つ。
こ”どうしたら想いやりを示しつつ率直になれるか?”
激動の時代に高いパフォーマンスを発揮するためのリーダーシップ
High Support サポート力
  • 無条件の心理的安全性の確保
  • 人々の回復力を高める
  • チームの障害を取り除く
  • チームにないリソースの提供
  • ひらめきと信念
High Challenge 挑戦
  • 戦略的選択
  • 明確でストレッチな目標と指標の設定
  • 自分が決めた限界域からの脱却
  • 期待値の表明と共有
  • 率直で想いやりのあるフィードバックを行う
The only constant is change

唯一不変なのは変化である

我々は絶えずパラドックスの中にある
  • 成長性を高める ⇔ 経費削減
  • パフォーマンスの向上 ⇔ 幸福感の向上
  • エンパワーメント ⇔ 統制
  • 挑戦 ⇔ サポート
  • 上手くやる ⇔ 早くやる
  • 今日までに仕上げる ⇔ 明日やろう
  • コア業務に集中 ⇔ 斬新なイノベーション
  • 地域のニーズに応える ⇔ グローバル効果の追求

私たちはリーダーとして、日々このパラドックスに直面しています。もし、リーダーとして、答えは1つで、どちらか一方でなければならないと考えると、この問題は解決するのがあまりにも難しくなり、自分自身を麻痺させてしまうでしょう。私たちは、「今日、この状況下」でベストな答えがあるという考え方をスタートする必要があります。いつも同じ答えではないかもしれませんが、答えはひとつではないので、その時々に“ベストな答え”はあるのです。

“問題を解決する”のではなく、“パラドックスをマネージ”するのです。
Look at the “and”, how can we do both?

“and”を見る。どうしたら両方できるか?


Topic 2: 働き方の未来を想像する
The 3 Ws
  • Work/仕事
  • Workplace/仕事場//li>
  • Workforce/人材
Work: 仕事の進め方を再定義する
  • 価値創造のフロー
  • 組織の再構築
  • 従業員中心の体験
Workplace: 選択肢と柔軟性のあるハイブリッドな場
  • 価値創造のフロー
  • 組織の再構築
  • 従業員中心の体験
オフィスではなくワークプレース
  • ハイブリッド型の選択肢
  • 従業員/ ビジネスの声を聴く機会
オフィスではなくワークプレース
  • ハイブリッド型の選択肢
  • 従業員/ビジネスの声を聴く機会

今、何をすればいいのか?コラボレーション、イノベーション、エンゲージメント、関係構築。これらは、どこで、どのように仕事をするべきかを決定するのに役立ちます。

Workforce: 暮らしを守る

オフィスではなくワークプレース

Partnerships & Collaboration/パートナーシップとコラボレーション
人材・タレントエクスチェンジ、タレントプールの構築
New employment models/新たな雇用モデル
Employability VS Employment/エンプロイアビリティVS雇用
責任ある再編とケアプラン
6 Traits for Success in the Connected World
Connected Worldで成功するための6つの特徴
  • 絶え間ない好奇心
  • 学びのアジリティ
  • 経験値を集める
  • Emotional Intelligence(EQ)情動知能、共感性
  • システムシンキング(点をつなげる)
  • 柔軟性、適応性、アジリティ
“If you are always trying to be normal, you’ll never know how amazing you can be!”
“常に普通でいようとしていたら、自分がどれだけ素晴らしい存在になれる可能性を持っているか気付けない!”
Maya Angelou