Client Voice
「綺麗な英語」より「ビジネスを動かす型」を。
根布谷 岳志 氏 IHI熱・表面処理SBU(IHI CORPORATION Heat Treatment and Surface Engineering Business Unit)
石原芙由子氏(株式会社ウィル・シード HRDコンサルタント)
海外カンファレンス参加前に何を準備すべきか。ATD Southeast Asia Summitに参加した石原芙由子氏に、1:1トレーニングが現地での対話にどうつながったのかを伺いました。
ATDへの参加を前に、どのようなことをトレーニングしたいと考えていましたか?
日常的な英会話や自己紹介、雑談のようなコミュニケーションには、そこまで不安はありませんでした。
一方で、仕事の中で、テーマを与えられて英語でディスカッションする経験はほとんどありませんでした。たとえば「AI活用についてどう考えるか」「リーダーシップとは何か」と聞かれたときに、その場で自分の考えを英語にして、自然なテンポで会話を続けられるのかは未知数でした。
日本語でも、こうしたテーマについて話すときには言葉を選びます。それを英語で行うことに不安があったので、ATDで扱われそうなテーマを絞り、実際に意見を伝えたり切り返したりする練習を繰り返したいと思っていました。
実際のトレーニングは、どのように現地での場面を想定して進めていったのでしょうか?
最初に、自分が何を伸ばしたいのか、どんなテーマで練習したいのかを伝えました。すると、コンサルタントが現地でディスカッションするためのテーマを毎回準備してくれました。決まった教材を進めるのではなく、ATDで自分が直面しそうな場面から逆算して内容を組んでもらえた感覚です。
良かったのは、ディスカッションの内容について、単に英語として正しいかどうかだけではなく、私の発言が意図したとおりの意味として伝わるか、ニュアンスが合っているかまで確認してもらえたことです。
さらに、「こちらの言い方のほうが伝わりやすい」「この表現はもう少しカジュアル」「フォーマルならこちらが適切」といったように、場面に応じた別の言い方も教えてもらえました。
そうした内容は自分専用のスライドに残るので、後から見返せます。次のセッションで前回教えてもらった表現を実際に使うと、「今の使い方はいいね」とフィードバックをもらえる。そうやって、表現を知識として覚えるのではなく、自分が使える形にしていくことができました。
自分が現地で必要としているスキルに加え、扱うトピックや表現、フィードバックまで、自分の目的に合わせてくれている。本当にテーラーメイドなんだと実感しました。
限られた期間の中で、どのように学びを定着させていましたか?
私はセブンシーズのセッションとセッションの間にも、自分でオンライン英会話を入れて、毎日何かしら英語を使うようにしていました。オンライン英会話の講師は、文法などの語学としての英語を教えるスキルはあっても、実務経験に乏しいという印象でした。そのため、セブンシーズで教えてもらった表現を、オンライン英会話ですぐ使って自分に定着させる。そのうえで、次のセブンシーズのセッションでもまた使い、トレーナーからフィードバックをもらうことでさらにアウトプットの質を高める、というサイクルを作っていました。
直前期に大切なのは、「教わる」だけではなく、「実際に使う→修正する」を繰り返すことで、現地で自然に出せる状態に近づけるだと思います。そのため、セブンシーズのセッションを中心にインプットとアウトプットを組み立てることで、ATDだけではなく、今後英語でコミュニケーションするさまざまな場面で使えるスキルを身に付けることができたと感じました。

実際にATDへ行って、事前トレーニングが成果につながったと感じた場面はありましたか?
私の場合は、特に相手の発言を受けて質問を重ねるスキルが役立ちました。
ネットワーキングでは、自己紹介だけでなく、テーマに沿った話や、それぞれの国の話など、さまざまな話題が出てきます。
トレーニングでは、分からなかったことを聞き返したり、相手の話を受けてどのように質問を返すか、どのような表現を使えば自然に会話を続けられるかを繰り返し練習していました。そのため、現地ではクッション表現も含め、学んだ質問フレーズを使いながら会話を進められました。
問いを返せると、コミュニケーションが一度のキャッチボールで終わらず、その先まで続きます。こちらが相手に興味を持っていることも示せますし、そうすると相手からもさらに質問してもらえます。
たくさんの人と次々に名刺交換するというより、一人の相手と会話を続けることで、その人の考えをきちんと知ることができました。私にとっては、「多くの人と話した」ことよりも、「一人の相手とテーマについて深く話せた」ことのほうが大きかったです。
実際に、現地では一人の参加者と会話を深める中で、ASEAN地域における採用やAI活用についても意見を交わすことができました。応募者が多い中で優秀な人材をどう選ぶか、そのためにAIをどう活用したいか、といったテーマについて議論しました。日本とは社会構造が違うので、同じ「AI活用」でも論点が違う。その違いを会話の中で実感できたのは、現地に行ったからこその学びでした。
こうした話まで踏み込むには、相手の発言を受けて問い返し、会話をつなげる必要があります。事前にそのやり取りを練習していたことが、単なる英会話ではなく、現地で知見を得るための対話につながったと思います。
現地での経験を踏まえ、今後、海外カンファレンスに参加する方には、どのような準備が役立つと思いますか?
今回参加してみて、話すことに加え、相手の話を聞いて要点を捉える練習も大切だと感じました。
カンファレンスでは、ネイティブのスピードで次々に話が進んでいくので、キャッチアップできるところもあれば、できないところもあります。短い内容でも、「今の話はこういうことだった」と自分なりに要点をまとめられる力があると、参加しやすくなると思いました。
わからなければ、「今の話はどういう意味だったのか」と確認する。ポイントを押さえながら聞いていく。そうした「聞く→要約する→確認する」練習も、海外カンファレンスの準備として役立つと思います。
また、現地でテーマについてディスカッションしたり、グループで意見を求められたりするのであれば、ある程度テーマを絞って話す練習をしておくことも重要です。
直前期に文法や語彙を広く勉強するよりも、実際の場面を想定して、聞いた内容をまとめる、問い返す、会話をつなげるといった練習をする。私はそのほうが、現地のコミュニケーションに直結すると感じています。
海外カンファレンスに向けた準備の捉え方はどう変わりましたか?
海外カンファレンスに参加する価値とは、英語のセッションを通じて新たな知見を学ぶことだけではありません。参加者と対話し、自分の考えを伝え、相手の視点を引き出すことで、初めて現地ならではの学びが生まれます。
ATDで扱われる可能性のあるテーマを題材に、意見を伝える、聞き返す、問いを重ねる、表現のニュアンスを調整するといったことを繰り返し練習しました。
その結果、現地ではトレーニングしてきた表現をネットワーキングで実際に使い、一人の相手との会話を深め、採用やAI活用といったテーマについて意見交換するところまでつなげることができました。
海外カンファレンスへの参加が決まっているからこそ、「英語力を広く高める」のではなく、「現地で何を聞くか、何を話すか、どう問い返すか」を具体的に想定して準備する。直前期には、その場面をリハーサルできるかどうかが、現地で得られる成果を左右します。
セブンシーズのトレーニングは、参加者一人ひとりの目的やテーマに合わせて内容を組み立てられることが特長です。現地での対話を深め、新たな知見を持ち帰るための実践的な準備として活用できると思います。